2024年6月からの診療報酬改定について
2024年6月からの診療報酬改定について
2024年6月1日より2年に1度の診療報酬改定が全国の病院・クリニックで運営開始されております。
特に今回は医療・介護・障害福祉の報酬が同時に改定されるトリプル改定と呼ばれるインパクトの大きい改定となっております。
今回の改定では、生活習慣病管理料Ⅱや医療DX推進体制整備加算等が新規に造設され、これまでの改定の中でも一際目立つ改定となりました。
この診療報酬改定に伴い、生活習慣病療養計画書を作成・説明・同意をいただく必要のある患者様が増え、6月1日より早速診療が押し始めてしまっておりますが、院長はトイレに行く間も惜しんで待ち時間が可能な限り短縮するよう診療に励んでおりますので、ご理解いただけますと幸いです(6月が過ぎれば、この影響による押し時間も緩和されると思います)。
では、今回の改定で新規に造設された生活習慣病管理料Ⅱ 及び 医療DX推進体制整備加算について説明したいと思います。
昨今の生活習慣病の患者数の増加を受け、厚生労働省は、生活習慣病の代表疾患である「高血圧症」「脂質異常症」「糖尿病」を主疾患として通院されている患者さんでこれまで算定しておりました「特定疾患療養管理料+特定疾患処方管理加算+外来管理加算」が、「生活習慣病管理料Ⅱ(333点)」へ移行されることとなりました。
これに伴い、各患者さんに応じた治療計画・治療管理を行う為に、食事や運動などに関する目標を「生活習慣病療養計画書」に明記し、説明・同意をいただくことが必要となりました。
当院ではこれに伴い、前もって患者さんに食事や運動に関するアンケートにご協力いただき、同アンケートに基づき「生活習慣病療養計画書」を作成しております。
つきましては、生活習慣に関するアンケート 及び 「生活習慣病療養計画書」へのご署名にご協力いただけますと幸いです。
※ 尚、上記生活習慣病があっても、下記疾患で通院されている患者様では、従来通り「特定疾患療養管理料」として算定する場合があります。ご不明な点がありましたら診察時にご質問下さい。
狭心症・心筋梗塞加療後・不整脈・弁膜症や心筋症などを基盤とした慢性心不全などの循環器疾患、気管支喘息・肺気腫、脳血管疾患、甲状腺疾患、慢性の肝機能障害、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、家族性高コレステロール血症など
※ 睡眠時無呼吸症候群(CPAP治療)で通院中の患者さんで、上記生活習慣病のいずれかでも通院されている方も算定の対象となります。したがいまして、CPAP治療中の患者さんは、月々の自己負担額が500~1000円前後増加致します。
※「生活習慣病管理料 Ⅰ」もありますが、当院では「生活習慣病管理料 Ⅱ」にて算定しております。
医療DXとは、医療・保険・介護等に関する情報をデジタル技術を駆使することで、より良い医療や介護の実現を目指すことを言います。
当院では、医療DX体制の推進に寄与すべく、下記取り組みを行っており、これに伴い、初診の患者様に医療DX推進体制整備加算(8点)を算定しております(月1回まで)。
① マイナ保険証利用促進の為、院内掲示等でご案内しております。
② 電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスを導入準備しております(電子カルテ業者様の対応中)。
③ オンラインで請求を行っております。
④ オンライン資格確認等システムにより取得した医療情報を取得し、必要時に診察室で活用できる体制を有しています。
上記2点が、今回の診療報酬改定によってクリニック通院中の患者さんが影響を受ける大きなポイントとなります。
これに伴い、2024年6月1日よりお支払い金額も変わりますので、ご不明な点があれば遠慮なくご質問下さい。