不整脈を疑う症状がある場合に行う検査と治療
こんにちは!
台風が秋の空気を引っ張り、夏の暑さもやわらいできました。
今回は前回の不整脈シリーズで、不整脈を疑う症状がある場合にどのような検査・治療方針になるのかについて説明したいと思います。
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不整脈を疑う症状がある場合には、当院では次に説明する検査を原則行い、異常所見があれば連携病院へ迅速に紹介致します。
当院で行う検査
心電図検査
心電図は、患者さんの胸と手足に電極を付け、心臓の電気的な活動をグラフの形に記録するものです。心電図を記録している際に不整脈を認めれば、不整脈の種類を診断することが可能です。
24時間ホルター心電図
通常の心電図では、心電図を記録した際に不整脈を認めていなければ、診断することができません。そこで、24時間心電図を装着していただくことで、1日のうちに1回でも不整脈を認めれば不整脈を診断できる確率が上がります。動悸やめまいなどの症状との関係性を調べるのにも非常に有用な検査です。
心エコー
心エコーは、超音波(エコー)を用いて心臓の動きを直接探る機器です。不整脈の原因として、狭心症や心筋梗塞、心筋症や弁膜症などの心臓の病気が隠れている可能性があります。もし隠れていた場合には、不整脈の治療よりも原因の治療を優先することもありますので、心エコー検査によりそのような心臓の病気が隠れていないかを探ることは必要不可欠です。
胸部レントゲン
胸部レントゲン検査は、X線を当てて心臓の画像を直接写し出す検査です。不整脈により心不全状態に至っていると、心臓の陰影が拡大したり、肺に水がたまっている画像が写し出されます。
採血
不整脈の原因には貧血やホルモンのバランス異常などもありますので、そういった異常がないか、採血で確認します。
大きな病院で行う治療
不整脈の治療はまずは薬によりコントロールを図りますが、近年、頻脈を起こす不整脈はカテーテルで根本的に直してしまうカテーテルアブレーション治療が行われています。カテーテルの先から高周波を流して、異常な電気の発生元や回路を焼き切ってしまう治療になります。
さらに最近は、バルーンアブレーションと呼ばれるようなより短時間で簡便に治療できる機器も使用されるようになっています。薬が効きにくい場合や、頻脈を根本的に治したいという患者様は、カテーテルアブレーション治療を行っている連携病院へ紹介致します。
また、頻脈の中でも心室細動・心室頻拍は失神や心停止を起こしうる特に怖い不整脈ですので、そのようなことが起きた場合には、植え込み型除細動器と呼ばれる危険な不整脈を検知して電気ショック等の適切な治療を自動で行う機械を体に植え込む場合もあります。
徐脈を起こす不整脈は、息苦しさや失神などの症状が出現した場合に、ペースメーカー手術が必要となりますので、この場合も連携病院へ迅速に紹介致します。
「アブレーション治療を提案されたことがあるけど、結局どうしたら良いのか分からない」など、どんな疑問でも構いませんので気になることがあれば遠慮なくご質問下さい。