血圧が変動するのはなぜ?血圧の正しい測り方は?
少しずつ寒くなり始め、血圧が上がってきたと相談される患者さんも増えてきました。
また、血圧が大きく変動するのですがなぜですか?血圧はどういう風に測定するのが良いのですか?というような相談も度々受けます。
血圧は、例えば家事をした直後に測れば高くなりますし、薬を内服する前で測るか後で測るかでも大きく変わってきます。そこで、今回は血圧の正しい測り方について説明したいと思います。
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測定法
① 暖かい部屋で、椅子に座って測定します。
② 座ってから1~2分安静にしてから測定して下さい。
※ 座ってすぐに測定すると高めに出ます。
③ カフ(腕帯)の位置は、心臓の高さに維持します。
※ カフの位置が心臓の高さより低いと高めに出ます。
④ カフは、厚手のシャツや上着の上から巻かないようにします。
※ 厚手の服の上から測定すると高めに出ます。
⑤ 測定前に喫煙やカフェインは取らないようにします。
※ 喫煙やカフェイン摂取後に測定すると高めに出ます。
測定するタイミング
① 起床後 1時間以内(排尿後、朝食摂取前、内服前)に2回測定します。
② 就寝前に2回測定します。
※ 2回測定するのが大変という方は、1回測定でも構いません。
※ 血圧値の正確な評価は、2回の平均値をみて行います。
そこでよく聞く患者さんからの質問を下にいくつか挙げたいと思います。
手首で測る血圧測定器や指にはめて測る血圧測定器などありますが、信用性はどの程度ありますか?
適切に測れば腕で測る血圧測定器による値とそれ程解離はしませんが、実際は測り方によって誤差が大きく出ることが多いので、腕で測る血圧測定器をお勧めしています。
※ 手首の方が血圧は低めに出ます。
病院で測ると血圧が高いのですが、家での血圧とどちらをベースに考えたら良いですか?
病院で測ると血圧が高くなる方が多く、白衣高血圧と呼ばれます。したがって、診察室で測定した値よりも、家で測定した値を優先して降圧薬の調整を行います。
血圧を何回も測っていると最初は高くて少しずつ低くなっていくのですが、なぜですか?
動いた後に椅子に座って、その直後に測定すると実質”動いた直後”ですので血圧は高めに出ます。椅子に座った後、次第に体がリラックスしていくと、血圧も徐々に下がっていきますので、血圧が次第に下がっていくというのは生理的な現象と言えます。
したがって、血圧は座ってから1~2分経ってからリラックスした状態で測定するようにしましょう。
尚、時々、血圧を何回も測ると逆に少しずつ高くなっていく患者様がいます。この場合は”血圧が高い”という不安な気持ちが逆に体を興奮させ血圧をさらに上げてしまっている可能性が考えられます。そのような場合は一旦血圧測定は忘れてリラックスしてから測りなおすようにしましょう。