不整脈にはどんな種類があるの?その原因は何?
こんばんは!
台風が近づいており、雨が降ったりやんだりと不安定な天候ですね。
外出する際は十分お気をつけ下さい。
では今回は、開院後、動悸・息切れの原因精査で24時間ホルター心電図(1日心電図をつける検査)を施行しておりますが、数名の方で不整脈が見つかりました。
そこで不整脈についてどのような種類があるのか、またその原因について説明したいと思います。
尚、当記事を3分程度の動画にまとめてみましたので、もしよろしければ、こちらもご参考にしてみて下さい♪
※ 無音でご視聴可能な動画となっております。
不整脈の分類
不整脈とは、1分間の脈拍数が100回以上になる頻脈と、1分間の脈拍数が50以下になる徐脈と、時々脈が飛ぶ期外収縮に大きく分類されます。
下にその分類を大まかにイラストでまとめてみました。

頻脈性不整脈
頻脈には、さらに心房細動・心房粗動・心房頻拍や、発作性上室性頻拍、心室細動・心室頻拍に分類されます。
特に心房細動は、心臓の中に血の塊が出来やすく、脳梗塞の原因になることで有名です。いずれも、動悸や息切れ、めまい・ふらつきや冷や汗、重度の場合は失神を伴うこともあります。
さらに、心室細動・心室頻拍は突然死の原因にもなりうる重篤な不整脈となります。
徐脈性不整脈
徐脈には、洞不全症候群と房室ブロックに分類されます。
脈が遅くなると倦怠感や息切れ・めまい・ふらつきを生じることがあり、さらに5~10秒近く鼓動を打たない場合には冷や汗や失神の原因にもなります。
期外収縮
期外収縮は3回に1回など、時々脈が飛ぶ不整脈です。
30歳以上では健康な人でも認めるようになり、年齢とともに増加しますので、多くの場合、病的意義はありませんが、その頻度が増えたり症状が強い場合には、治療介入が必要となります。
不整脈の原因
不整脈の原因の多くは生活習慣病、とくに長年の高血圧が長期にわたって心臓に負担をかけることで心臓に傷みが生じて不整脈が生じます。
またそれだけではなく、遺伝や体質が原因で生じることもありますが、一部は心筋梗塞や心筋症など、心臓そのものの病気が原因で起きていることもある為、不整脈を認めた場合には、当院では原則心エコーにて心臓の動きをチェックします。

また、過労や精神的ストレス、睡眠不足や飲酒、発熱や貧血、定期内服薬やホルモンのバランス異常などでも生じることがありますので、問診や採血などで、原因となりうるものがないか一緒に探していきましょう!

コメント
時々胸の動悸がし、違和感があり一週間ホルダー心電図をつけ、胸の動悸のときに確かに期外収縮が起きていると言われ心配ないと言われました。
通常は、規則的に2回続けて少し空けてまた2回続ける不整脈が普段あり、病院で、2回目が心房性期外収縮だと言われ問題ないと言われています。
先日スマートウォッチで心房細動が起きているので救急車を呼んでくださいと赤字で119番が出ました。
その時は、30台の徐脈で救急車の中での心電図もRR間隔が空いていて徐脈でした。
病院では、元にもどって普段の2連拍の後長く続く規則的な脈に戻っていまし。心エコー、胸部レントゲン写真、血液検査等も問題ないと言われましたが、もし心房細動が起きてもその時をキャッチできなければ、大丈夫だと言われても心配です。
心房細動が起きて脳梗塞などになるのが心配です。
セカンドオピニオンを利用した方がよろしいでしょうか。
初めまして!
ご質問ありがとうございます。
まず、「心房細動が起きてもその時をキャッチできなければ、大丈夫」ということはありません(キャッチできなくても心房細動が起きていたのであれば問題になりえます)。おそらく、その際の担当医の説明が十分あっこさんに伝わっていなかった可能性が考えられます。
正確には、「心房細動が起きていてもその時をキャッチできなければ、明確な治療方針を立てられない」が正解です。
スマートウォッチで「心房細動が起きているので救急車を呼んでください」と表示されたのは、脈の不整などを感知して自動表示された可能性が考えられますが、それが”本当に心房細動かどうか”は、その時の心電図をキャッチできなければ評価困難です。
その為のツールとして、最近はApple watchの心電図Appや心電計などがありますので、心配なようでしたら、セカンドオピニオンの前にこれらのご購入を検討されてみるのも良いかと思います(費用は高いですが)。
ちなみに、心房細動は通常頻脈になることが多いので、心拍数30台の徐脈状態が続いていたのであれば、心房細動ではない印象を「一般的には」受けます(ただし、期外収縮や心房細動は脈不整となる為、心拍数が変動することはご留意下さい)。
※ 当コメントは、いただいた情報に対する”一般論”としてご回答しております。治療方針等につきましては、”必ず”近医または主治医の指導を仰いでいただきますようお願い致します。