コレステロールが高いってどういうこと?
こんにちは!
通院中の患者さんの中には既にコレステロールのお薬を内服されている患者さんも多いですので、今回はコレステロールや中性脂肪の基準値についてお話したいと思います。
*********************************************
脂質異常症とは、コレステロールや中性脂肪の値が異常値を示すことをいいます。
コレステロールには、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールと、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールがあります。以前は「高脂血症」という病名でしたが、この善玉コレステロールは「低」い方が悪い状態を指しますので、「脂質異常症」という病名に変わりました。
コレステロールが高いとは?
一般に言われる「コレステロールが高い」という表現は、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールが高いことを指します。LDLコレステロールは、余分なコレステロールを血管の壁に沈着させることで動脈硬化を引き起こす強力な要因となり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や脳出血、閉塞性動脈硬化症など、様々な臓器の血管が狭くなったり詰まったりする病気を引き起こします。
一方で、善玉コレステロールであるHDLコレステロールは、血管内にたまったコレステロールを肝臓へ戻すことで動脈硬化の進行を予防しますので、逆に低い(少ない)値の場合には動脈硬化を引き起こす要因になります。

また、中性脂肪はコレステロールとは別の物ですが、LDLコレステロールの味方、HDLコレステロールの敵として働きます。したがって、中性脂肪もまた高い程、動脈硬化を引き起こす要因となります。

「コレステロールが高い」の基準値は?
では実際には、どの値から「コレステロールが高い」と言われるのでしょうか。
日本動脈硬化学会からのガイドラインでは下の表の通り、脂質異常症の診断基準を示しています。

健康診断やかかりつけでの定期採血時などにこの項目をチェックしてみると病気への関わり方がまた一つ変わるかもしれません。
L/H比にも注目してみて下さい
実は、脂質異常症の診断において、「LH比」という項目も重視されています。
「LH比」とは、「LDLコレステロール÷HDLコレステロール」で計算される値で、当院の採血ではA.I.(動脈硬化指数)という項目に反映されています。
例えば、LDLコレステロールが135 mg/dL、HDLコレステロールが45 mg/dLの場合、それぞれの値は脂質異常症の診断基準を満たしませんが、「L/H比」は135÷45=3.0になります。「LH比」が3.0というのは下の表の通り、動脈硬化が進んだ非常に危険な状態ですので、早期の治療介入が必要ということが分かります。

「LH比」はLDLコレステロールとHDLコレステロールのバランスをみた指標になりますので、それぞれ単独の数値を見て安心するのではなく、このような多角的な視野から脂質コントロールの状態を知ることも非常に大切と言えます。
コレステロールの値が少しでも気になるという方は、いつでもご相談下さい!

コメント
初めまして。よろしくお願いします。以前より頸動脈にプラークがあり新しい病院でロスパスタチン錠を処方され3カ月服用しましたが直近の血液検査で以前から正常であったLDLならびにHDLがLDL60、HDL82、中性脂肪19でNT-proBNP290でした。これは薬の副作用で飲み突けるべきか悩んでいます。なおBMIは17.5ですかなり痩せています。
初めまして!
ご質問ありがとうございます。
「これは薬の副作用で」というのは、「NT-proBNP 290」のことを指しているでしょうか?
あるいは、LDLコレステロールが下がりすぎたという意味合いでしょうか?
ご回答いただけましたら「一般論」の範囲内でご助言させていただきたいと思います!
早速の返信ありがとうございました。LDLが基準値以下で中性脂肪が48から19とかなり下がっています。以前は基準値だった赤血球も411と基準値以下になりました。DMIは17.5で体重も43キロですが減量もせず食事も普通に取っています。頸動脈のプラークは片方が2.2ミリですがコレステロール値を下げる薬は継続して飲んでいいものか、免疫力の低下にならないか大変悩んでいます。年齢は74です。お忙しいところ大変ご迷かをおかけしますが、ご指導いだきますよう何卒よろしくお願いいたします。
ご返信ありがとうございます。
スタチンは「一般的に」悪玉コレステロールを下げる効果が主で、中性脂肪を下げるevidence(証明された証拠)はなく、中性脂肪の低下・赤血球の低下がスタチンによる影響かどうかは、いただいた情報のみからは現状不明瞭です。もう少し経過を追わないと何とも言えないと思いますが、気になるようでしたら主治医に聞いてみるのが最も良いかと愚考致します(スタチン導入前後のヤスジさんの状況を最も良く知っているのは主治医だと思いますので)。
早々とご連絡をいただき誠にありがとうございました。薬の件については担当医の先生とじっくり話しをしてみます。今後も何かアドバイスをいただきたいことがあれば連絡をさせていただくこともあろうと思いますので何卒よろしくお願いいたします。
ご返信ありがとうございます。
良い方向へ向かうよう祈っております!
初めまして。主人についてご相談させA1:A28てください。
年齢:65歳 身長:170.4cm 体重:64.9kg 腹囲:83.0cm
20代から激務で40代までは7時出勤帰宅22時23時で帰宅後自宅で夕食でした。
50代からは帰宅が20~21時となり、60歳前後から6時過ぎに帰宅するようになりました。
記憶が曖昧ですが、遅くとも30代の時には総コレステロール値は上限前後だったと思います。
2017年(57歳)にTIA疑いで9日間入院した時の検査結果です。
LDL:165 HDL:34 中性脂肪:360 HbA1c:5.4
頸部エコー IMT 右 0.5 左 0.6
プラーク 石灰化プラークあり 有意狭窄なし
動脈の硬さCAVI 右 6.6 左 7.1
動脈の詰りABI 右 1.13 左 1.17
軽度動脈硬化性変化(プラーク形成)
結局、入院中に脳梗塞の形跡が見つからず、症状も何もなく退院。
その際、コレステロール値について治療の話はありませんでした。
昨年末の健康診断の結果です。
LDL:193 HDL:37 中性脂肪:151(40代前後からLDLは±10前後ぐらい
血圧:115/67 血糖値:94 喫煙:なし
中高年から薬を勧められてきましたが、血圧・血糖値・頸部エコー・肥満など他の条件に変化が出たらと拒否してきました。
先月、頭部MRIと頸部エコーを受け、MRIは異常なし、エコーも軽度で心配無用とのこと。
でもLDLの数値からロスバスタチン2.5㎎/1日を28日分処方されてしまい服用し、その間副作用の自覚はありませんでした。
別の内科医でリスクスコアは「12」で高リスク手前の中リスクであると言われ、主人の両親も父方の祖父母も脳梗塞でしたし、
30代の子供達もLDLが高いので家族性なのだと思うので高リスクで投薬対象であろうと思っています
リスクとしてはかなり高い方だと思いますが、喜ばしいことですが動脈硬化がさほど進まない理由が分かりません。
57歳から9年近く経っても動脈硬化に変化がないなら主人には必要な量なのではないかと思ったりします。
薬を飲む必要性と動脈硬化の進行について内科で尋ねましたが、リスクスコアの話だけで答えてはもらえませんでした。
個人差というのはないのでしょうか。
長くなり申し訳ありません。
ご質問ありがとうございます!
ご指摘の通り、動脈硬化の進行の程度には個人差があることも多く、背景はほとんど同一であるにも関わらず同じLDLコレステロール値でも、動脈硬化の進行の程度に大きな差が出ることも経験します。
旦那様の例では、LDLコレステロールに比し、HDLコレステロールが非常に低く、さらに2017年の症状が真にTIAなのであれば、二次予防の為の介入が「一般的に」推奨されますので、主治医の意向も理解できます。
重要なことは、「動脈硬化が進行していない(現在動脈硬化所見が少ない)」=「治療しなくて良い(食事・運動療法の必要がない、あるいは薬を飲む必要がない)」とは限りませんので、患者さん個々の「将来のリスク」も含めて総合的に治療方針を決めているのが実情かと愚考致します。
※ 当コメントは、いただいた情報に対する”一般論”としてご回答しております。治療方針等につきましては、”必ず”近医または主治医の指導を仰いでいただきますようお願い致します。
納得のいくご回答を頂き、ありがとうございます。
ロスバスタチンを28日服用したところで血液検査をしました。
HDL:46 LDL:136 中性脂肪:148 と基準値内となり薬の効果は顕著でした。
副作用が気になった肝臓系の数値も問題はありませんでした。
2017年のTIA疑いは、出先から帰って書類を作成していた時に手が震えて字が書けなかったことから回りが脳梗塞を心配して救急車を呼び入院となりました。
最終的にはハッキリTIAではなかったとは言われませんでしたが、痕跡はありませんでしたと言われました。
手が震えた原因も探してくださいましたが、不明でした。
退院時、もしもということがあるので脳梗塞の症状が出た時にはこれを提出するようにと紹介状のような書類を頂きました。
仰るように、現在動脈硬化が進行していなくても将来のリスクを考える必要はあるわけですね。
今のところ副作用も出ていないようですし、このまま服用を続けようと思っています。
服用を中止すれば元の数値に戻ることは承知しています。
その際、元の数値に戻った時、治療をしていなければそのままだったけれど、治療で一度数値が下がり、治療をやめて再度上がった時には動脈硬化を含め何もしなかった時より悪化に転じるということはあるのでしょうか。
また、頸動脈エコーや心臓ドックなどで問題がなくても脳梗塞や心筋梗塞は起こることがあるのでしょうか。
投薬治療を続ける気持ちでいますが、何らかの体調の変化や主人の気持ちの変化等で再度考える時が来た時の指針として認識しておきたいと思い質問させて頂きました。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
ご返信ありがとうございます。
① 内服加療を”一定期間のみ”していた場合と、全くしていなかった場合とで、動脈硬化の進行の程度に差異があるかどうか
→明瞭なエビデンスがあるわけではありませんが、「一般的には」”一定期間のみ”でも内服加療をしていれば、その期間の動脈硬化の進行の程度はおさえられるものと考えられ、おっしゃられる逆のパターン(内服加療をしている方が動脈硬化が進行する)は考えにくいかと愚考致します。
② 頸動脈エコーや人間ドッグなどで問題がなくても、脳梗塞や心筋梗塞は起こることがあるか?
→血栓による脳梗塞や心筋梗塞の場合、十分起こりえます。
また、動脈硬化性の脳梗塞や心筋梗塞の場合もゼロではないと言えますが、頸動脈エコーや人間ドッグでリスクのある患者さんの大多数を見つけ出すことは可能かと愚考致します。
ご回答頂きありがとうございました。
疑問や不安に思っていたことが明確になり安心しました。
投薬治療を続けつつ、体調管理をしたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。
ご返信ありがとうございます。
またご不安なことがありましたらご相談下さい!
先日は、納得できるご回答を頂きありがとうございました。
再度ご相談させて頂きたいことがあります。
先日、献血に行き、その結果が送られてきました。
主人は150回以上献血(主に成分献血)をしており、その記録は全部残しています。
今は、ネットで見る様式に変わりましたので、3回分しか見られなくなりました。
記録は、1/25・2/12・3/6で、ロスバスタチンは1/24から服用を始めました。
献血で知らされた数値なので詳しい数値はまだ分かりません。
次回受診日は18日なのですが、検査結果が出るのに数日かかるため明日か明後日に受診し採血をしてもらい、次回受診日に今後の話を主治医と相談しようと思っています。
ロスバスタチンを28日服用した後の血液検査の数値は以前のご相談の際に書き記しました。
今回、献血での数値で異常値が3つ出ました。
数値は、左から1/25・2/12・3/6の記録です。
コレステロール(CHOL) 262・205・264
総蛋白(TP) 7.2・7.5・9.0
アルブミン(ALB) 4.6・4.6・5.5
今まで何十年もコレステロール値以外で異常値が出たことはありません。
また正常値内ですが、ALT(GPT)が19・20・35と上昇、脈拍が95・85・79と下がってきています。
お聞きしたいのは、
①前回ロスバスタチンを服用して下がったコレステロール値がまた元に戻ってしまったのはなぜか?
②総蛋白とアルブミンが基準値を超えて高くなったのはなぜか?
ということなのですが、薬の副作用や薬の変更が必要なのかどうかを含め、先生のお考えをお聞かせください。
特にコレステロール値が元に戻ったことについて、主人にとって体質としてその量のコレステロールが必要だということはないのでしょうか。
長年脂質異常症の数値でありながら動脈硬化の進行が軽度ということで、基準はオーバーしていても主人の体質には合っているのではないかという気持ちがあります。
以前の先生のご説明で、リスクや服用の必要性については理解しているので、薬を拒否する気持ちはありません。
ただ副作用であったり薬を変えても再度数値が元に戻ってしまった場合を想定して、どうするか考えるための知識を持っておきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
再度ご質問ありがとうございます。
① ロスバスタチンを服用してもコレステロール値が元に戻った原因は?
→記載されている「コレステロール」とは、「総コレステロール」ではないでしょうか?
「総コレステロール」は、悪玉コレステロール以外に善玉コレステロール・中性脂肪の値も含まれますので、スタチン以外の要素も関与している可能性があります。
② 総蛋白とアルブミンが高くなったのはなぜか?
→肝機能もやや上がっているようですので、スタチンによる副作用の可能性も「否定はできません」。
ただし、この場は文章のみでのやり取りとなりますので、これ以上の言及は困難です。
必ず主治医にご相談いただきますようよろしくお願い致します。
※ 当コメントは、いただいた情報に対する”一般論”としてご回答しております。治療方針等につきましては、”必ず”近医または主治医の指導を仰いでいただきますようお願い致します。
早々にご回答頂きありがとうございます。
今日、採血に行き、後日その結果をもとに今後については話し合いたいと思います。
ご返答ありがとうございます。
実臨床では実際に診療しないと分からないことも多々あります。
良い方向へ向かうよう祈っております!