睡眠時無呼吸症候群を疑った場合に当院で行う検査
- 2025年2月7日
- 生活習慣病,5. 睡眠時無呼吸症候群
こんにちは!
インフルエンザの急速な収束とともに、コロナがまた増え始めています。
花粉症も今年はみなさん早めに症状が出ていますので、早めの花粉症対策+感染予防に努めていきましょう!
今回は、日中眠たい・朝の血圧が高い原因は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性もの記事で説明しました”睡眠時無呼吸症候群”を疑う場合の当院での検査手順について取り上げたいと思います。
睡眠時無呼吸症候群は心臓の病気とも密接な関係がありますので、わたくし院長も治療経験豊富です。そこで、いつもの通り、できるだけわかりやすく説明していきたいと思います。
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睡眠時無呼吸症候群を疑った場合には、ご自宅でも可能な簡易検査を行うことから始まります。
簡易検査の手順
まずは、いつもの通り、イラスト図で分かりやすく簡易検査の手順を下に示したので、参考にしながら読み進めていただければと思います。
① まずは、睡眠時無呼吸症候群を疑う症状があるかどうか、問診を含む診察を行います。
どんな症状でも構いませんので遠慮なくご相談下さい。
② その上で、患者様と相談し、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査をご希望された場合には、簡易検査キットをご自宅に郵送します。
③ 簡易検査装置キットに付属された手順書に従って、検査装置を寝る前に装着下さい。
時々、途中で起きてしまっても大丈夫ですか?と質問されることがありますが、いつもと同じ自然体で睡眠下さい。
夜間起きてしまっても構いませんし、トイレに行くことも可能です。ただし、トイレに行く際はセンサーは付けたまま行っていただくようお願い致します。
ご不明な点は簡易検査キットの業者、あるいは当院にお問い合わせ下さい。
④ 測定後、簡易検査装置キットを、同封の伝票を用いてご返却下さい。
⑤ しばらくして、検査レポートがクリニックに届きますので、結果を後日報告致します。
簡易検査の測定内容と診断法
検査装置キットは、下のイラスト図の通り、鼻に装着する気流センサーと、指に装着するパルスオキシメーターから構成されています。
気流センサーでは、「1時間あたりの無呼吸の回数や呼吸が弱くなっている回数」=REIを測定します。
パルスオキシメーターでは、血液中の酸素濃度=SpO2を測定します。
睡眠時無呼吸症候群の診断は、REIやSpO2の変化を総合的に評価して行い、問診内容なども含めて、治療適応について考えます。
治療適応と判断した場合には、生活習慣の改善指導に加え、患者様がご希望されれば、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法装置)と呼ばれる「マスクを装着して鼻から気道へ空気を送り込むことで睡眠中の気道を確保する治療」を行います。
ただし、CPAP治療の保険適応は、REI 40以上が条件となっております。
したがって、CPAP治療をご希望の患者様で、REI 40未満の結果になったけども日中傾眠などがあり、CPAP治療が推奨される場合などには、次に説明するさらなる精査(PSG)を進めていきます。
在宅PSG検査
簡易検査にてCPAP治療の保険適応基準に満たなかったが(REI 40未満)、治療適応になるであろうと臨床的に判断した場合などに、より正確に測定可能なPSG検査を行います。
PSG検査は、通常1泊入院で行う検査ですが、当院ではご自宅で可能な「在宅PSG検査」が可能です。
簡易検査との違いは、睡眠中に脳波も同時に測定することで、より正確に「睡眠している時間」を評価し、より正確に「1時間あたりの無呼吸の回数や呼吸が弱くなっている回数」=AHIを測定することが可能です(REIと同様の指標です)。
CPAP治療の保険適応は、REIでは40以上でしたが、AHIは20以上となっています。
簡易検査にて治療境界の結果になっても、PSG検査をするとCPAP治療の保険適応を満たすケースは多くあります。
尚、費用は、簡易検査が2,700円程度に比較して、在宅PSG検査は12,000円程度と費用は高いですが(3割負担例、診察代は除きます)、通常の1泊入院で行う場合は4~6万円程度かかります。
したがって、簡易検査で微妙な結果を得た場合も、CPAP治療を前向きに考えている患者様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談下さい!
※ 在宅PSG検査の手順は、簡易検査の手順と同一です。
睡眠時無呼吸症候群もまた生活習慣病の一つであり、十分な睡眠の確保は、食事療法・運動療法と並んで、健康を維持する為に非常に重要な要素となります。
当院では、睡眠時無呼吸症候群の診断から治療に至るまで行っておりますので、遠慮なく当院までご相談下さい!