こんばんは！

先週はWBC、サッカー日本代表戦、卒業式とめまぐるしい1週間でした。

それにしても、侍ジャパンおめでとうございます！

WBCからエネルギーをもらいつつ、明日からも丁寧な診療に努めていきたいと思います！

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今回は、開院後現在に至るまで、発熱外来にて2000人近くの発熱患者様を診療してきましたが、診療後しばらくしてから”咳が長引く”という症状で再度ご相談を受けることが度々あります。

当院ではそのような相談を受けた場合には原因を探ることから診療を始めております。

そこで、まずは”咳が長引く原因”としてどのような病気が多いかを説明したいと思います。

“長引く咳”は、”どのくらい長引いているか”という観点（経過）から原因を探る

　”長引く咳”は、発症から3週間以内の「急性」のものと、発症から3週間以上8週間以内の「遷延性」と呼ばれるものと、発症から8週間以上続く「慢性」の3つに大きく分類されます。

　下にそれぞれの原因として多い病気をイラストでまとめてみましたが、

　「急性」つまり発症から短い程、咽頭炎や副鼻腔炎（いわゆるのど風邪や鼻風邪）、新型コロナ・インフルエンザを含む気管支炎・肺炎などの感染症が原因となることが多いと言えます。

　一方で、「遷延性」や「慢性」つまり発症から数週間以上咳が続いている場合には、咳喘息や気管支喘息、肺気腫や肺結核・肺癌、また見落としやすい病気として心不全や逆流性食道炎など、感染症以外の病気が原因として隠れている可能性を考えなければなりません。

 

“長引く咳”の原因を探る為、当院では胸部レントゲン検査やスパイロメトリー検査を行っています

　”長引く咳”の原因は上で説明した通り、感染症以外にも多くあります。

　特に、咳喘息は花粉症などアレルギーをもっている患者さんで発症しやすく、大人になってから感冒などをきっかけに発症することもあります。咳喘息が原因であれば、咳止めはむしろ好ましくなく、吸入薬を中心とした治療となります。

　そこで当院では、患者さんと相談の下、必要に応じて胸部レントゲン検査やスパイロメトリー検査を行っております。

※ もちろん患者さんが検査を希望されない場合には診察所見から原因を想定してお薬治療することも可能です。

胸部レントゲン検査

　肺炎や肺気腫、肺結核や肺癌、心不全等、肺の病気や心臓の病気を原因として疑う場合には、胸部レントゲン検査を行います。

　胸部レントゲン検査にて肺炎が見つかり、緊急入院となった患者さんもこれまで何人かおられます。

スパイロメトリー検査

　スパイロメトリー検査とは「息を大きく吸って一気に吐くことで」肺活量（肺の機能）を調べる検査となります。

　気管支喘息では、胸部レントゲン検査では診断が困難な為、肺活量つまり肺の機能を調べる検査を行います。

　咳喘息ではスパイロメトリー検査の結果が正常であることもありますので、聴診などの診察所見・経過などを総合的に評価して診断します。

　また、肺気腫や間質性肺炎を疑った場合にもスパイロメトリー検査を行います。

その他の検査

　炎症の程度や細菌感染かウイルス感染かの鑑別等を目的に採血検査を施行することもあります。

　また、胸部レントゲン検査や臨床所見から心不全が疑わしい場合には、心エコー検査も行うことがあります。

　咳症状で受診後、胸部レントゲン検査及び心エコー検査にて急性心不全が見つかり、緊急入院となった患者さんもこれまでおられます。

　尚、上で説明した通り、”長引く咳”の原因を探る一手段として、胸部レントゲン検査やスパイロメトリー検査などを行っておりますが、これらは一般の通院患者さんにも行う検査ですので、感染拡大予防下での実施を徹底しております。

　したがいまして、発熱や呼吸器症状が出てから間もなく（具体的には発症7日以内）、かつ新型コロナ感染やインフルエンザ感染等を完全には否定できない患者さんでは、特に理由のない限りは原則これらの検査は行っておりませんのでご了承いただけますと幸いです（このような場合には診察や問診による臨床的所見から治療致します）。

 

　このように”長引く咳”の原因については、ただの風邪が長引いているとは決めつけずに、咳喘息含め多くの可能性を考え診療しております。

　”長引く咳”でお困りの患者様はぜひ一度ご相談下さい！