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医療コラム

足のむくみの原因は?|湘南いいだハートクリニック|平塚市の内科(一般内科・循環器・心臓血管)

足のむくみの原因は?

 こんにちは!

 本日無事、開院日を迎えることができ、初日から多くの患者さんに来院いただきました。

 今回は、初日からご相談のありました「脚のむくみ」について取り上げたいと思います!

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「最近、脚のむくみが気になる」と感じたことはないでしょうか。

 脚のむくみの原因は、A)心不全 B) 深部静脈血栓症 C) その他 の大きく3つに分類すると分かりやすいです。下にその概要をまとめてみました。

 心不全、深部静脈血栓症ともに、脚のむくみの原因としては怖い病気ですので、1つ1つ説明していきたいと思います。

心不全

 心不全とは、何かしらの原因で心臓の機能が低下している為に、徐々に体に水が貯まってくる状態のことを言います。多くの場合、初期症状として「体重が増えてきた」「むくみが出てきた」と感じられる方が多く、進行してくると息切れや、夜間に咳が出たり寝苦しくなるという症状が出てきます。

 脚のむくみは、両側に同程度に生じ、靴下のあとが残ったり、指ですねを押さえた後に離すと指のあとが残る(pitting edema)のが特徴的です。

 心臓超音波検査や胸部レントゲン・採血などによって診断可能で(当院でも施行可能です)、治療は利尿薬などを用いて体に貯まった水分を取り除く治療から開始します。

深部静脈血栓症

 脚の静脈という血管に血のかたまりができてしまい、脚の血液が心臓に戻れなくなる為に脚がむくんできます。所謂、エコノミー症候群と呼ばれるもので、多くは片側のみに起こります。ふくらはぎを前後に圧排すると(押すと)、痛みが生じるのが特徴的です。

 脚の静脈にできた血のかたまりは、肺の血管に飛ぶことで息切れや呼吸困難が生じる肺血栓塞栓症と呼ばれる病態を伴うことも多いです。

 先天的な原因で生じることもありますが、多くは、整形外科の手術前後で脚を動かさない期間が長期間に及んだり、ご高齢の方で横になっている時間が長くなった場合などに生じます。

 診断は静脈のエコー検査によって可能ですが、肺血栓塞栓症の精査も兼ねて心臓超音波検査や心電図検査、場合によってはCTや肺血流シンチなどを行うこともあります。

 治療は血をさらさらにする薬で血のかたまりを溶かす治療を行います。

その他の病気

腎不全

 腎臓はおしっこを作る臓器ですので、腎臓の機能が落ちるとおしっこが減って体に水が貯まっていきます。特に、尿から大量のたんぱく(アルブミン)が流出してしまうネフローゼ症候群では、心不全と同じような脚のむくみが出やすいことが特徴です。尿検査や採血で診断しますが、場合によっては、腎生検を行うこともあります。治療は、減塩療法やステロイド薬による治療などを行います。

甲状腺機能低下症

 甲状腺機能が高度に低下していると、脚のむくみの原因になります。心不全や腎不全とは異なり、指ですねを押して離しても、あとが残りにくいむくみが特徴です。甲状腺ホルモン値が低下していれば、さらなる原因精査を行い、内服治療から開始します。

蜂窩織炎

 脚に傷ができ、そこからばい菌が入ってしまうと感染を起こしてむくんでしまいます。触ると熱感があったり発赤したりします。比較的見た目で分かりやすいと思います。治療は抗生剤で行いますが、繰り返すことも多いので清潔にスキンケアする必要があります。

リンパ浮腫

 リンパ管は体内の老廃物をリンパ液として運ぶ役割をしていますが、その機能が低下してしまうと、皮膚の下や脂肪の間にリンパ液がたまってしまいむくむ原因になります。高齢の女性の方やがんの手術後の患者さんに多く見られます。治療法として、弾性包帯や弾性ストッキングによりふくらはぎを圧迫したり、脚を上に上げて寝たり、脚を動かす(運動する)、リンパマッサージなどの治療が推奨されます。また、リンパ液の流れが悪い状態ですので、脚に傷ができると③の蜂窩織炎を発症しやすくなるので、脚を清潔にスキンケアする必要があります。

 

脚のむくみの鑑別・治療はこれまで専門に行ってきた分野でもありますので、ぜひ一度ご相談下さい。

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