肺炎球菌ワクチンは受けた方が良いの? ~2026年以降バージョン~
- 2026年1月25日
- 予防接種,3. 肺炎球菌ワクチン
こんにちは!
寒い日が続いていますね。
発熱外来では、インフルエンザB型も増えているので、引き続き感染予防に取り組みましょう!
では今回は、肺炎球菌ワクチンについて、肺炎球菌ワクチンは受けた方が良いの? ~2024年4月からの変更点を踏まえて~ で説明してきましたが、2025年10月新規肺炎球菌ワクチンとして、キャップバックスが日本で接種可能となったことを受け、肺炎球菌ワクチンの推奨接種プランが大幅に変更となりました。
これに伴い、上記記事を一部修正・更新した形で、いつもの通りできるだけわかりやすく説明していきたいと思います。
肺炎球菌とは?
肺炎球菌とは、重症な肺炎を引き起こす原因として最も多い細菌(ばい菌)です。
特にご高齢の方や基礎疾患を有する患者様では、肺炎だけでなく敗血症や髄膜炎を引き起こし、命に関わることも少なくありません。
実際、肺炎球菌による重症肺炎・敗血症で亡くなられた患者様もわたくし自身数名みたことがあり、決して無視できない細菌の一つとなります。
また、小児、特に2歳未満でも発症時に敗血症や髄膜炎を引き起こすことがある為、その予防は非常に重要となります。
肺炎球菌ワクチンを打つのが良いのはどのような人ですか?
上記の点から、肺炎球菌ワクチンの接種が特に推奨されるのは下記の方となります。
ご高齢の方(65歳以上)
年齢が上がる程、感染しやすく重症化しやすくなります。
基礎疾患を有する方
下記のような基礎疾患を有する方でも、感染リスクが高く重症化しやすくなります。
・ 心筋梗塞や心不全など心臓疾患
・ 喘息やCOPD(肺気腫)など呼吸器疾患
・ ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
乳幼児
免疫がまだ弱く、感染しやすく重症化しやすいとされています。
ワクチンにはどのような種類があるのですか?
肺炎球菌ワクチンには、下記の4種類があります。
まずは、分かりやすいようにイラスト図でまとめましたので、同参考に読み進めていただけますと幸いです。

ニューモバックス(PPSV23)
実は、肺炎球菌は90種以上の種類があるのですが、ニューモバックスはそのうち23種類の肺炎球菌に対し効果を持ちます。
この23種類で、成人の重症肺炎を引き起こす肺炎球菌の64%を占めており、成人での予防効果が確立されております。
したがって、成人の定期接種は、ニューモバックスでの接種となります(★時点)。
プレベナー(PCV20)
プレベナーは、20種類の肺炎球菌に対し効果を持ちます。
カバーできる範囲が20種類と増えたことで、現在は、成人の任意接種の第一候補の位置づけとなっています。
また、免疫が作られにくい乳幼児でも免疫を獲得しやすい工夫がされており、乳幼児の定期接種に用いられます。
キャップバックス(PVC21)
キャップバックスは、2025年10月に日本で接種可能となった新しい肺炎球菌ワクチンです。
プレベナーに近い21種類の肺炎球菌に対し効果を持ち、特にご高齢の方で問題となるタイプの肺炎球菌をより多くカバーしているという点が、他のワクチンと比較した強みとなっています。
現在は、成人の任意接種の第一候補の位置づけとなっています。
キャップバックスにつきましては、今後、別の記事でもピックアップして取り上げる予定ですので、ぜひご参照下さい。
バクニュバンス(PCV15)
バクニュバンスは、15種類の肺炎球菌に対し効果を持ちます。
2022年9月に日本で承認された比較的新しい肺炎球菌ワクチンとなります。
ただし、20価のプレベナー・次に説明するキャップバックスの台頭により、今後選択される機会は少ないかもしれません。
結局どれを打ったら良いのでしょうか?
2025年10月 キャップスバックスが日本で接種可能となったことにより、★において、肺炎球菌ワクチンの推奨接種プランが新規に提示されました。
当院でも同接種プランを元に、下記スケジュールでの接種を基盤と致しますのでご参照いただけますと幸いです。
※ 接種プランに正解はありません。下記とは別の接種スケジュールをご希望される患者様は、都度ご相談いただけますと幸いです。
65歳の方
65歳時に1回目の接種としてニューモバックスを定期接種。
その後、1年以上あけて、プレベナーかキャップバックスを任意接種として接種することが推奨されます。

66歳以上で定期接種(ニューモバックス)済の方
65歳時に既に1回目の接種としてニューモバックスを定期接種されていると思います。
同定期接種日から、1年以上あけて、プレベナーかキャップバックスを任意接種として接種することが推奨されます。

66歳以上で定期接種(ニューモバックス)未施行の方
定期接種をまだ打たれたことがない場合は、1回目の任意接種としてプレベナーかキャップバックスを接種。
あるいは、1回目の任意接種としてバクニュバンスを接種した後、1~4年空けてニューモバックスを追加接種することが推奨されます。

小児
尚、“小児の肺炎球菌ワクチン”については、2024年4月1日以降、定期接種としてバクニュバンスが承認・推奨されましたが、10月1日以降、プレベナー 20価の承認・推奨へと変更となりました。
これを受け、当院でも厚生労働省の方針にも従い、2024年10月1日以降、”小児の肺炎球菌ワクチン”はプレベナー 20価へ移行しておりますので、ご不明な点は当院へ直接ご相談下さい。
※ それまでバクニュバンスを接種されていた児は、引き続きバクニュバンスでの接種となります。

ワクチンの安全性は?
肺炎球菌ワクチンは、細菌の莢膜という成分で、安全性の高いワクチンであることは分かっております。
副反応として、注射部位の痛みや腫れ、稀に発熱や筋肉痛を認めることがありますが、通常は5日程度で治まります。
公費助成を受けられる年齢は?
それまで、65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳時に定期接種(公費助成)を受けることが可能でしたが、
2024年4月1日より、下記に該当する方は、定期接種(公費助成)の対象に変更となりました。
65歳の方
接種日に65歳である方のみ対象です(65歳の誕生日の前日~66歳の誕生日の前日)。
基礎疾患を有する60歳以上65歳未満の方
下記のような基礎疾患を有し、かつ身の周りの生活が極度に制限される60歳以上65歳未満の方
・ 心筋梗塞や心不全など心臓疾患
・ 喘息やCOPD(肺気腫)など呼吸器疾患
・ ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
任意接種を受けたいのですが
公費助成を受けられるのは上記の方ですが、
・ 基礎疾患があるけども、これまで肺炎球菌ワクチンを受けたことがない
・ 65歳以上だけども定期接種のタイミングを逃してしまった方 など
接種をご希望の方は、当院にて接種可能と判断した場合、任意接種(全額自己負担)を受けることが可能です。
都度ご相談いただけますと幸いです。
2回目の接種は必要ですか?
上記の推奨接種プランで説明した通り、
定期接種として接種されているニューモバックスは、プレベナーやキャップバックス等の2回目の接種が推奨されております。
一方、20価のプレベナーやキャップバックスは、長期的な効果を期待できる点から、2026年現在は1回接種のみで良いと考えられております。ただし、実際どの程度まで効果が持続するかは、今後のデータで明らかになってくるものと考えられます。
肺炎球菌ワクチンを接種しようか悩んでいる、どれを打ったら分からないというような患者様がいらっしゃいましたら、一度ぜひご当院へ相談下さい!
