帯状疱疹ワクチンについて ~シングリックスの適応拡大を受けて~|湘南いいだハートクリニック|平塚市の内科(一般内科・循環器・心臓血管)

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医療コラム

帯状疱疹ワクチンについて ~シングリックスの適応拡大を受けて~|湘南いいだハートクリニック|平塚市の内科(一般内科・循環器・心臓血管)

帯状疱疹ワクチンについて ~シングリックスの適応拡大を受けて~

 こんにちは!

 日々暑さが増していますが、熱中症にならないように細めな水分補給や室内気温の適切な調整などに努めましょう!

 では今回は、日常診療でも良くご相談を受ける帯状疱疹ワクチン、特に先日6月27日に適応拡大が承認されたシングリックスを中心に説明したいと思います。

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帯状疱疹とは?

 帯状疱疹は体の片側の一部に赤い発疹が出現し、ピリピリとした痛みを伴います。

 患者さんによっては夜も眠れない程の激痛を伴うこともあり、多くは上半身に現れますが、顔や頭に認めることもあります。

 50歳以上で発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症するという報告もあります。

どのように発症するの?

 帯状疱疹は、多くの方が子供の時に感染する水ぼうそうが原因となります。

 水ぼうそうが治った後も、ウイルスが体内に潜伏し続けており、過労やストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再度活性化して帯状疱疹を発症します。

 日本人の90%以上が、このウイルスを体内に潜伏させていると言われています。

帯状疱疹の合併症が特に怖い

 帯状疱疹で特に悩まされるのは、その合併症にあります。

 特に帯状疱疹後神経痛(PHN)は、発疹が改善した後も3ヶ月以上痛みが続き、その痛みは数年にわたることもあります。

 50歳以上で帯状疱疹を発症した方のうち、約2割の方はPHNを発症すると言われています。

 また、目や耳の神経が障害され重症化すると、顔面神経麻痺や視力低下などの重い後遺症が残ることもあります。

 したがって、予防的に帯状疱疹ワクチンを接種することが推奨されています。

帯状疱疹ワクチンの種類

 帯状疱疹ワクチンは、生ワクチンである「ビケン」と、リコビナントワクチンである「シングリックス」の2種に大別されます。

 生ワクチンは、1回の接種で済み、「シングリックス」より安価ですが、予防効果が60歳以上で61%と低めで、8年目には31%程度まで予防効果が低下してしまうというデメリットがあります。

 一方、「シングリックス」は、2ヶ月空けて2回の接種が必要ですが、予防効果が50歳以上で97%と高く、10年後でも80%程度の予防効果が持続するというメリットがありますので、一般に帯状疱疹ワクチンとしては、「シングリックス」が推奨されています。

 ただし、「シングリックス」は筋肉注射ですので、コロナワクチン同様、副反応として注射部位の腫れや赤み、発熱や頭痛などの頻度が生ワクチンより多くなります。

 したがって、当院では、費用や副反応を懸念する場合は生ワクチン、そうでなければ原則「シングリックス」を推奨しております。

帯状疱疹ワクチンの適応

 帯状疱疹ワクチンの適応は、原則50歳以上となります。

 ただし、つい先日 6月27日に、18歳以上の免疫機能が低下した患者さんでもシングリックスを接種できるようになり、適応拡大となりました。

 

帯状疱疹ワクチンを接種しようか悩まれている50歳以上の患者様や、50歳未満でも免疫不全・免疫抑制のある18歳以上の患者様は、ぜひ一度当院にご相談下さい!

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